KOHIRUIMAKI有限会社小比類巻家畜診療サービス

帝王切開

 定期繁殖検診が終わり、夕刻の往診に向かう車中で急患携帯がはいった。

「難産だからすぐきてくれ」とのこと。「胎児の頭部が落ちていたので治してみたのだが・・・」と畜主。胎児が仰向けの状態だったので早速整復を試みる。下顎を確保し、頭部を産道に引っ張り込むのだがなかなかしっくり乗ってこない。なんか変だなと思いながらも既にロープがかけられた脚を引っ張ってみてもびくともしない。「引っ張ってみましたか?」と私、「うん、でもぜんぜんこないから先生に電話した。最初から呼べばいがったじゃ・・・」と畜主。既に胎児は死亡している模様だが、子宮内羊水がほとんどなく、母体の衰弱も色濃い(私の疲労も・・・)。帝王切開を判断するまでに、余計な時間を要してしまったか・・・。

 開けてみて判ったのだが、産科ロープがかかっていたのはどうも後肢であった可能性が高い。取り出してみると思ったほど胎児は大きくなかった。頭と後ろ足を同時に引っ張り娩出できるはずが無い。母体の回復に全力を注ぎたい。

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